熱 中 症 と は ? 

 

 暑い最中に野球やサッカーなどの激しい運動をすると、からだから大量の熱が発生し、体温が40度を超える異常高熱になります。その結果、脱水状態が進み、手足のけいれんや吐き気、失神、ひどいときには意識障害を起こしショック症状で死に至ることがあります。これが熱中症です。

 人間の体は半分以上が水で占められています。水分は体の不要なものを排泄したり、体温を調節したり、酸素と栄養を運搬したり、と大変重要な役割をしていますが、体重の2%(体重60kgの人なら1.2リットル=コップ約7杯分)以上の水分が失われると、このような役割が果たせなくなり、上記のような症状が現れるのです。

 熱中症の予防は、炎天下や蒸し暑い日の運動を避け、運動は軽めに、徐々にならしてから行う、また水分と適度な塩分をこまめに補給することが大切です。急に気温が上がったり、梅雨明けしたばかりの時、湿度が高い時などが熱中症を起こしやすいので要注意です。

 のどの渇きを感じたときには、すでに体内の水分は減り始めています。気温の高いとき、運動などで汗を多くかいたときは早めに、ゆっくりと少しずつ水を飲みましょう(スポーツドリンクはおすすめ)。 具合が悪くなったらすぐに運動を中止し、涼しいところで休憩します。意識がはっきりしない場合には、周りの人はすぐに救急車を呼びましょう。 

 

 

熱失神

熱疲労

熱痙攣

熱射病

意識

消失

正常

正常

高度な障害

体温

正常

39

正常

40℃以上

皮膚

正常

冷たい

正常

高温

発汗

(+)

(+)

(+)

(−)

 

 

 

 

 

 

熱失神皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられる。顔面蒼白となって、脈は速く・弱くなる。

熱疲労脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられる。

熱痙攣大量に汗をかいたときに水だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下して、足、腕、腹部の筋肉に痛みをともなったけいれんがおこる。

熱射病体温の上昇によって中枢機能に異常をきたした状態。意識障害(反応が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がおこり、死亡率が高い。