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咽頭結膜熱 (プール熱)


 

[症状]

 急に高熱で発症し、その後のどの症状(咽頭炎)と、目の症状(結膜炎)の両方があらわれます。発熱は39〜40℃が3〜7日と長く続きます。のどが真っ赤になり、かなり痛みがあることが多く、3〜5日持続します。目は痛みやかゆみがあり、目やにが出て、まぶしくなったり涙が止まらなくなったりもします。目の症状は一般的には片方からはじまりますが、多くの場合はもう一方にも広がります。また、頭痛や吐き気、腹痛や下痢が起こることもあります。潜伏期間は5〜7日です。

 

 

 

 

[原因]

 ウイルスが,口・鼻の中やのどの粘膜あるいは眼の結膜から体の中に入りこんで感染します。原因ウイルスに免疫のない幼小児に好発します。多くは学童までの小児ですが、免疫がない成人にもうつることがあります。一度感染を経験すると免疫ができますが、原因ウイルスは複数なので症状が1回だけとは限りません。

 感染経路は、多くは鼻汁やしぶきの飛沫感染ですが、プールなどでの結膜からの感染や便を介しての経口感染も考えられます。また目やにから接触感染も起こすので、注意が必要です。治った後も、ウイルスは咽頭からは発症後7日間から14日間、便から30日間ぐらい排出し続けます。咽頭結膜熱は感染力が非常に強いので、慎重に対処してください。

 流行時には、うがいや手洗いを励行することが大切です。便にもウイルスがいますので、排泄後、おむつ交換後の手洗いに充分注意してください。また、目やにからの接触感染もありますので、タオルの共用はやめましょう。プールでの感染に対しては、水泳前後のシャワー、水泳後の洗眼、うがいをしっかりしましょう。 

 原因ウイルスは、主にアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。このウイルスはいろいろな型に分類され、多くはアデノウイルス3型で引き起こされますが、アデノウイルス1・4・7・14型でもみられます。1995年以降、7型と呼ばれる新しい型が流行するようになりました。アデノウイルス7型は以前の型に比べ熱が長く続き、重症化することもあります。アデノウィルス肺炎・・・7型による乳幼児の肺炎が重症になりやすい。
 また、アデノウイルスが感染しても必ずしも咽頭結膜熱の症状をおこすとは限りません。乳幼児の急性気道感染症の10%前後がアデノウイルス感染症と言われ、アデノウイルスは小児で重要な病原体です。

 

[治療]

 アデノウイルスに抗生物質は効きません。治療はそれぞれの症状に対する対症療法が中心です。結膜炎が強い場合は眼科の治療が必要になります。
 家庭での注意は、十分な水分・栄養がとれるようにしてください。のどが痛くなることが多いので、食欲不振による脱水症には注意してください。出来るだけ、刺激の少ない、固くない食物 (ヨーグルト・プリン・ゼリー・アイスなど)や水分を十分にとりましょう。

 学校保健法では、第二種伝染病に位置づけられており、登校基準については、症状がなくなった後、2日を経過するまでは出席停止となります。登園・登校については主治医とよく相談してください。 

 

 


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